メモ帳
タイトルは、村上春樹『東京奇譚集』の一篇『偶然の旅人』からいただきました。
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パンズ・ラビリンス(2006)
EL LABERINTO DEL FAUNO PAN'S LABYRINTH 監督: ギレルモ・デル・トロ 出演: イバナ・バケロ - オフェリア セルジ・ロペス - ビダル マリベル・ベルドゥ - メルセデス ネタバレあります。 テーマの核心にも触れています。 知りたくない人は読まないように。 まず言っておきたい。 日本版のポスターは最悪だ! ポスターというか売り出しかたというか、とにかく最低です。 海外のと比べると別の映画みたいだ。 映画の意図を全く理解していない。 製作者の意図を理解しない宣伝が多すぎて、今の映画会社は理解できません。 あの場面を前面に出すなんて、俺の解釈ではアリエナイ! はぁ~。 さて。 メキシコ人監督によるダーク・ファンタジー。 凄い映画だという評判は知っていたが、本当に凄い映画だった。 ダーク・ファンタジーと形容されるけど、 これだって立派なファンタジーだ。 フェアリーが見える少女は、ゴーストだって見えるはずだ。 お伽噺だけじゃなくて、百鬼夜行もあるってことです。 ジブリのファンタジーとは対極にあります。 ジブリはジブリで最高に素晴らしいと思うけど、 一方でこういうファンタジーも絶対に必要。 光と影、正と邪はいつも一緒に存在する。 この映画にも二面性がある。 現実と幻想。 見る者がどう捕らえるかだ。 過酷な現実からの逃避なのか? 本当に魔法の王国のプリンセスなのか? この判断によって、映画の評価は全然違うものになると思う。 俺は、過酷な現実が見せた幻想と受け止めました。 しかし、ただの現実逃避に終わらず、人間の本質への問いかけがなされている。 人はなぜ、物語を必要とするのか? 男と女、母と子、父と子、家族、姉弟、それぞれの愛とは? 自由とは? 平和とは? 人の醜さや哀れさ、 現実世界の過酷さ、 生きることの辛苦と精神の解放、 様々な課題が提示されています。 オフェリアの純真無垢な心、 豊かな色彩と造形による幻想世界の映像美、 現実の過酷さとその中で生きる人間の気高さ、 スペイン内戦の冷徹な現実描写、 それらが安易なエンターテインメント性を排除し、 胸に迫る作品に仕上げています。 3つの試練に臨むオフェリアですが、 徐々に現実との接点ができてくる展開も秀逸。 現実と幻想の境目が曖昧になっていき、 それによってラストの残酷さと救いが輝いている。 また、多彩なモチーフをふんだんに盛り込み、素晴らしい世界観を創造している。 『パンズ・ラビリンス』ってのは、『パンの迷宮』って意味ですね。 俺は全く知らなかったんだけど、 迷宮の守護神パンは『牧羊神パン』というギリシャ神話の神のようです。 その顔は、キリスト教伝播以前の森の土着神として描かれています。 オフェリアとメルセデスの会話で、 メルセデスがパンを知っていたので、 スペインではメジャーな存在だということは分かりましたが、 どういう位置づけなのかが分からなかった。 長いから割愛するけど、ウィキペディアに詳しくあるので、知りたい人はそこで。 禁を犯し葡萄を食べてしまうシーンがあるが、 ギリシアの牧羊神パンと同一視されることがあるサテュロスが ワイン大好きな酔っ払いということも関係しているみたい。 ワイン=葡萄なので、葡萄なら禁に触れないと思ったというリンクがあるらしい。 それと、エデンの園にある「生命の樹の実」のモデルが葡萄だからだって説もある。 これは禁を破る可能性を示唆しているものです。 人間は誘惑には抗えないってことですかね。。。 素晴らしい世界観を築いているけど、 日本人には馴染みがなくて分かりづらいことが多々あります。 スペイン内戦に詳しい人は、 ギリシア神話やキリスト教のモチーフよりも更に少ないでしょう。 この辺が分かるともっと面白いと思うので、自分の知識の無さが残念です。 世界やクリーチャーのディテールも素晴らしく、 泥にまみれた迷宮、 試練が浮き出る本、 何処でもドアにする魔法のチョーク、 ナナフシから変化した妖精、 掌に眼を持つ異形の化け物、 裂かれた口を縫う大尉、 呻くマンドラゴラ(人面植物の根っこ)、 などなど、挙げればきりがないくらい出てくる。 捉え方によってはハッピーエンドなのかもしれないが、 それを安穏と受け止めては、メッセージを受け取りそこなったことになると思う。 まぁ、そうは言っても、俺の意見がこうであるだけなので、 捉え方は人それぞれでいいと思います。 ファンタジーというジャンルは、 打ち上げ花火のような一瞬の面白さばかりの映画が増えていますが、 心に残る余韻を感じられる素晴らしい映画に仕上がっています。 yutaka
by yutaka_0825
| 2008-11-11 01:13
| Movie
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